日曜日のとある憂鬱
母。(仮名:鉄子) 鉄子はテレビを見ながらよく喋る。同時に、一緒に視聴している私にも喋る。
「誰?」「これ誰?」
7割方これ。今!まさに今!!テレビ画面に映っている俳優は誰なのかと。一緒に視聴している私に聞いてくる。都度。
鉄子、一応ね、私も今テレビ見てる、一緒に。 なんなら今まさに鈴木亮平が事故現場に乗り込んで行くところでね。したら消防隊員が「あぶねーだろ!」つって、あちらの現場はピリピリしてるわけですよ。「死者は……ゼロですッ!!!!」っつー決めゼリフで締め括るために字の如く一生懸命なわけです。
「誰?」と聞かれましても、こちとら手に汗握って熱心なリアタイ視聴者真っ最中。鉄骨の下敷きになってた負傷者の行く末を案じて止まないんだわ。
そんな状況下で、鉄子の素朴クエスチョンに思考を巡らす余裕なんぞ私の脳には無いわけです。事件は現場で起こってっからね。オペ中にゴーグル装着しているかもきちんとチェックしないといけない立場にあるんでね。誰。
かくいう私も、鈴木亮平の代表作は?と聞かれても、恋する太い眉毛役の作品しか知らないのが事実、あいとぅいまてん。鉄子にうまく説明できるかしらと、一抹の不安は常に抱えている。
しかし、鉄子の質問に答えても無駄な理由があって。
〜過去回想〜
鉄子「これ誰?」
わて「渡邉圭佑」
鉄子「誰それ?」
わて「MIUに出てた」
鉄子「知らんな」
そうかー、知らんかー。
とはならないよねこっちも。
答えたら答えたで、答えても答えても、分け入っても分け入っても山、みたいな。 あと困ったことにねーこれがねー鉄子検索しないんですねー 知りたくないの?名前と顔一致させたくないの? 聞いといて、なーんなの?5秒返して? 覚える行為を辞めたらそこで試合終了ですよ?つって。
グァーゴォー(訳:G◯◯gle)先生という偉大なる御人を手中におさめて居るのにも関わらず、か・か・わ・ら・ず!(大声)調べないんですねー。
「OK、ぐーぐる☆」ってねー、何がOKなのか問いたい。むしろ問うために生まれし機能じゃない?一番世の中で「OK!」って言われてるだろうし、「OK!」って言って欲しい人ランキングでぶっちぎり1位だと思う。誰。
でね、もうね、言いました。遂に。 ここ数年言えなかったことを。もはや告白です。広義での愛の告白。
「鉄子、そうやって私にいつも"誰これ?"って聞いてくるけどさ、名前言うたところで知らんやん。」
そう、そう。まさに、そういうこと。
しかし返ってきたのは、
「だって知らんのやもん」
ことわざでいうところの『暖簾に腕押し』かなー?つってねーーーーー
知らないでしょ?に対して、知らない。
では教えてしんぜよう。
でも検索しない。
ど☆う☆し☆ろ☆と
「あ!でもこの人は知ってるよ!えっとな………要潤!」
記憶保持の線引きがわっかんねぇ。。。